将棋の奥深さと楽しさを知ろう!【将棋一番星】
歩兵

歩兵

どんなに時代が進み、科学技術が発達しても戦場における主力は歩兵であることには変わりないものです。チャトランガ発祥の将棋やチェスにおいてもそれは変わらず、主戦力となるのは1マスしか前進できない歩兵なのです。ここでは、歩兵の動きと主な使い方について紹介していきます。

歩兵〜敵陣深く潜り込め

将棋の基本ルールでは、「進行方向に味方の駒があった場合それ以上先には移動できない」ということになっています。

そのため、陣形の構築や相手への攻撃を行う際には歩兵を優先して動かしていかなければなりません。では、歩兵は道を開ける以外にどのような働きを持っているのでしょうか?

歩兵の動き方

歩兵は、1マスだけ前方に動くことができます。これはチェスのポーンとほぼ同じ動きですが、ポーンの場合「最大2マス前方に移動出来る」「移動先にある相手の駒を取れない」ため敵味方関係なく前方に駒があると移動できないことになっています。

その代わりに、ポーンは「アンパッサン」というルールで隣接する位置で移動した相手のポーンを取りながら移動することが出来ます。対する歩兵は駒取りに制限はありません。敵陣に侵入した歩兵は「と金」になり前・後・左・右・右斜め前・左斜め前の6方向に1マスだけ進むことが出来るようになります。

歩兵の呼び方について

一般名詞での「歩兵」は「ほへい」と読みますが、将棋での「歩兵」は「ふひょう」と読むのが正式な呼び方です。それに伴い、略称の「歩」は「ふ」と読みます。成った後の「と金」という表記は歩兵の裏面の「と」に見える崩し文字が語源になっています。

また社会情勢の変化で一般市民が急に富裕層の仲間入りを果たすことを「成金」と言いますが、この語源は歩兵をはじめとする小駒の成り駒に由来したものです。

歩兵の使い道とは?

将棋初心者にしてみれば、歩兵は「数合わせ」または「強い駒を使いにくくする邪魔者」または「囮要員」の駒であると思われがちです。

しかし、その評価は半分正しくて半分間違っているといえます。確かに歩兵は数ある駒の中でも最も価値が低く、他の駒を進行させるためには歩を先に動かしてしまわなければなりません。

しかし、歩が王将や大駒の前にあるということは「相手の攻撃が王将や大駒に届くまで一手先延ばしできる」ということでもあります。もしも相手が大駒で歩を取ろうとすれば、次番でこちらが相手の大駒を取ることが出来ます。つまり、歩を防御に専念させれば相手の戦力を削ぎ落とす布石になるのです。

歩兵に課せられたルール

歩兵には他の駒には見られないルールがあります。それが「打ち歩詰め」と「二歩」です。打ち歩詰めは「持ち駒の歩で王将を詰みにしてはいけない」、二歩は「同じ縦列に成っていない同じ陣営の歩兵が二枚以上存在してはいけない」という歩兵の攻撃と防御を制約するルールです。

打ち歩詰め・二歩共に行うと自動的に反則負けとなります。二歩は防御の固めすぎによる対局の進行を阻害し、打ち歩詰めは防ぐことの出来ない攻撃を一方的に行うものです。つまり対局の進行速度と公平性を維持する為には、ある程度歩兵を使い辛くしなければならないということなのです。

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